コラム

育児休業法改正のポイント

労務

男女ともに仕事と育児を両立できるように育児・介護休業法が令和4年4月1日より改正されました。
令和4年10月1日からは新たに創設された「出生時育児休業(産後パパ育休)制度」は、これまでの育児休業よりも
柔軟で取得しやすい制度となっています。
この「出生時育児休業(産後パパ育休)制度」を含めた育児休業法改正のポイントについてご紹介いたします。

【1】育児休業取得の現状

 女性は8割台で推移している一方で、男性は上昇傾向にあるものの女性と比べて低い水準となっています。

 女性:81.6%  男性:12.7%(令和2年度)

 

【2】男性の育児休業取得における課題

 育児休業取得を進める上で、どのような課題があるでしょうか。

 事業所と従業員の両方を対象とした「男性の育児休業取得にあたっての課題」についての調査結果が下記となります。

 

【3】育児休業法改正の内容

<1> 令和4年4月1日施行

① 育児休業を取得しやすい雇用環境の整備の義務化

 ・育児休業に関する研修の実施

 ・育児休業に関する相談体制の整備(相談窓口の設置)

 ・自社の育児休業取得事例の収集・提供

 ・自社の育児休業制度と取得促進に関する方針の周知

 

② 妊娠・出産の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務化

(周知事項)

 ・育児休業に関する制度

 ・育児休業の申し出先

 ・育児休業給付に関すること

 ・従業員が育児休業期間について負担すべき社会保保険料の取り扱い

 

③ 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

・「引き続き雇用された期間が1年以上」の要件を撤廃

 

<2> 令和4年10月1日施行

① 出生時育児休業(産後パパ育休)の創設

子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組みが創設されました。

女性が出産した場合は、出生後8週間は「産前産後休業」に該当するため、養子の場合を除き、主に男性が取得することを

想定した制度となります。

取得を申し出る期限は原則2週間前まで申請が可能となり、2回まで分割取得も可能となります。

 

② 育児休業の分割取得

これまでは、育児休業を分割して取得することができませんでしたが、今回の改正で分割して2回の取得が可能と

なりました。

 

<3>令和5年4月1日施行

① 育児休業取得状況の公表の義務化

常時雇用する労働者数が1,000名超の企業は、育児休業の取得の状況を年1回公表することが義務化されます。

 

今回の育児休業法改正により、社内体制の整備、従業員への説明資料、就業規則や育児・介護休業規程の改訂、

育児休業申請書類の変更を行う必要がありますので、各種諸規則の改訂や従業員に対する説明資料の作成等、

ご不明な点がありましたら社会保険労務士法人CROSSROADへお問い合わせください。

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