コラム

奨学金の代理返還制度をご存じですか?

税務

2021年4月に公表された企業の奨学金返還支援(代理返還)制度をご存じですか?
企業にも、学生時代に奨学金を受けていた社員にもメリットのある制度を、わかりやすくご説明いたします。

1,奨学金制度を利用している学生の割合は?

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の学生生活調査によると、なんらかの奨学金を受給している学生の割合は47.5%。およそ2人に1人は奨学金制度を活用しているといえます。利用者の多いこの制度ですが、卒業後働きながら返済をする負担に悩む人も少なくないのではないでしょうか。

 

2.従来の制度と変更点

これまでは、企業から学生時代に奨学金を受けていた社員(=返還支援対象者)に対し支援額を送金、本人が機構に返還する方法しかありませんでした。この場合、一時的に返還支援対象者の所得になることから、所得税・住民税・社会保険料負担が増える可能性があります。

しかし、2021年4月からは、企業から直接機構に送金することが可能となったのです。

 

※独立行政法人日本学生支援機構HPより

 

3.企業側のメリット

「個人の奨学金返済のための給付」という扱いになるので、給与として損金算入ができます。

また「賃上げ促進税制」の対象となる給与等の支給額にも該当することから、一定の要件を満たす場合には、法人税の税額控除の適用を受けることができます。

 

4.返還支援対象者側のメリット

企業が直接機構に送金することで、自身の通常の給与と返還額が区別され、かつ奨学金の返還であることが明確となるため、その返還額にかかる所得税は非課税となります。また、原則として、標準報酬月額の算定のもととなる報酬に含めません。

 

なお、返還支援対象者が法人の役員や役員親族である場合など、非課税にならない場合もあるので留意が必要です。

 

企業にも、返還支援を希望する社員にもメリットのあるこの代理返還制度。

より詳しいご説明やご相談は、税理士法人CROSSROADまで、お気軽にお問い合わせください。

 

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