M&A検討開始の羅針盤 ー目的の明確化と戦略策定が成功を導くー
会計・税務・経営コンサルティングのご相談は大阪市中央区と東京都港区の税理士法人CROSSROAD(クロスロード)

「売上は順調、決算書も黒字。なのに、なぜか手元の現金が増えない……」 「銀行口座の残高を見るたびに、支払いに追われているような不安が消えない」
経営者として日々数字と向き合う中で、このような矛盾を感じたことはありませんか?実は、黒字でありながら資金繰りに窮し、最悪のケースでは「黒字倒産」に至る会社は少なくありません。黒字経営でも資金繰りに不安を抱える会社の共通点と、社長が真に見るべき数字の正体を解き明かします。
1. なぜ「利益」と「現金」はズレるのか?
最も根源的な不安の理由は、損益計算書(PL)上の「利益」と、実際の「現金の動き」が一致しないことにあります。会計の世界には「発生主義」という原則があり、現金の入金に関わらず、サービスを提供した時点で売上が計上されます。
●売掛金の回収サイトと在庫の罠
黒字なのに現金がない最大の要因は、入金よりも先に支出が発生する「タイムラグ」です。
●売上増による資金需要: 売上が急増すると、仕入れや人件費などの支払いが先行します。売掛金の回収が2ヶ月先であれば、その間の運転資金を自社で立て替えなければなりません。
●在庫(棚卸資産)の蓄積: 利益計算上、在庫は費用になりません。しかし、仕入れ代金はすでに支払っています。「在庫が増える=現金が商品に姿を変えて眠っている」状態であり、これが資金繰りを圧迫します。
2. 投資判断と「回収タイミング」のミスマッチ
将来のための設備投資や採用活動は重要ですが、その「投資の回収期間」と「資金の調達期間」のバランスが崩れると、黒字でも資金ショートの危険が高まります。
●短期借入金で長期投資を行っていないか?
例えば、回収に5年かかる設備投資を、1年返済の短期借入金で賄った場合、営業利益をどれだけ出しても返済が先行し、手元の現金は常に枯渇します。 これを「資金のミスマッチ」と呼びます。投資を行う際は、その投資がいつ、いくらの現金を産むのかという「キャッシュ・イン」のシミュレーションが不可欠です。
3. 将来の見通しが「数字」で整理されていない恐怖
人間が最も不安を感じるのは「分からないこと」に対してです。 資金繰りが不安な社長の多くは、試算表(過去の数字)は見ていても、未来の資金繰り予定表(未来の数字)を持っていません。
●感覚経営の限界: 「なんとなくこれくらい入ってくるだろう」という感覚では、突発的な修繕費や納税、賞与の支払いに対応できません。
●納税資金の盲点: 黒字であれば当然、法人税や消費税が発生します。これらは利益から支払うのではなく、キャッシュから支払うものです。決算直前に多額の納税額を知り、慌てて銀行に駆け込む……という状況が不安を増大させます。
4. 社長が真に見るべき「3つの数字」
不安を解消し、攻めの経営に転じるためには、PL(損益計算書)以上に以下の数字を注視する必要があります。
① キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)
仕入れから販売、代金回収までにかかる日数です。この日数を1日でも短縮することが、無利息の資金調達と同じ効果を生みます。
② 経常収支比率
営業活動による収入で、どれだけ支出をカバーできているかを示す指標です。これが100%を下回っている場合、黒字であっても本業の現金創出力が弱まっているサインです。
③ 実質現預金月商倍率
「手元資金 ÷ 月商」で算出します。最低でも月商の3ヶ月分、理想は6ヶ月分の現預金を確保することで、精神的な余裕と投資への判断力が生まれます。
5. 資金繰り不安を「自信」に変える仕組みづくり
黒字なのに不安が消えない状態を脱するには、未来の数字を可視化することが有効です。
CROSSROADでは、経営支援監査 CROSSNAVI(クロスナビ) を通じて、過去の結果ではなく、未来を見据えた経営管理を支援しています。
●資金繰り予定表の作成: 6ヶ月〜1年先の現預金の動きを予測します。
●早期の銀行交渉: 資金が足りなくなる「前」に融資を引くのが鉄則です。
●節税とキャッシュのバランス: 過度な節税は現金を社外に流出させます。税金を払ってでも内部留保を厚くする「自己資本経営」へのシフトが、最大の防衛策となります。
まとめ:経営者の仕事は「現金を残すこと」
黒字経営ができているのであれば、貴社には素晴らしい商品やサービスがある証拠です。あとは、その利益をいかに効率よくキャッシュに変換し、次の成長へ投資するかという「仕組み」を作るだけです。将来の数字を整理し、視界をクリアにすれば、その不安は「次の一手」への確信に変わります。
次の一歩として、貴社の「現在のキャッシュ・コンバージョン・サイクル」を一度算出してみませんか?
具体的な計算方法や、業界平均との比較について詳しく解説することも可能です。ご関心がございましたら、ぜひ一度、税理士法人CROSSROADにお気軽にご相談くださいませ。