コラム

従業員への新型コロナウイルス感染予防対策費用

税務

 ワクチン接種が進む中、まだまだ終息の見通しが立たない状況で、企業が新型コロナウイルスの感染予防対策の費用を負担する場合、従業員への給与として課税しなければならない場合について、今回は具体例を挙げてご説明します。

1.マスク、石鹸、消毒液、消毒用ペーパー、手袋などの消耗品の購入費
2.従業員の自宅に設置する間仕切り、カーテン、椅子、机、空気清浄機などの備品の購入費
3.感染が疑われる場合のホテル等の利用料・ホテル等までの交通費など
4.PCR検査費用、室内消毒の外部への委託費用など
上記のような費用の支給について、従業員に対する給与として課税対象となるかをご説明します。
 
1.マスク、石鹸、消毒液、消毒用ペーパー、手袋などの消耗品の購入費
 業務のために通常必要な費用(通勤・勤務時着用のマスク等)については、立替精算、購入のための実費支給、現物支給でも従業員に対する給与として課税されません。
 業務のために通常必要な費用以外の費用(業務外での感染防止のためのマスク等)について、支給するものや従業員の家族など従業員以外の者を対象に支給するものは、従業員に対する給与として課税対象となります。
 
2.従業員の自宅に設置する間仕切り、カーテン、椅子、机、空気清浄機などの備品の購入費
 業務のために通常必要な費用(テレワークを行うための環境整備費用など)について、立替精算、購入のための実費支給、現物支給でも従業員に対する給与として課税されません。
※企業が所有する備品を業務専用に使用する目的で、従業員に貸与する場合には、従業員に対する給与として課税されません。
 業務のために通常必要な費用以外の費用について支給するもの(例えば、勤務とは関係なく使用する電化製品など)は、従業員に対する給与として課税対象となります。
 
3.感染が疑われる場合のホテル等の利用料・ホテル等までの交通費など
 業務のために通常必要な費用(例えば、職場以外の場所で勤務することを企業が認めている場合のその勤務に係る通常必要な利用料、交通費など)については、立替精算、旅費規程基づく金銭支給でも従業員に対する給与として課税されません。
 業務のために通常必要な費用以外の費用について支給するもの(例えば、従業員が自己の判断によりホテル等に宿泊した場合の利用料など)は従業員に対する給与として課税対象となります。
 
4.PCR検査費用、室内消毒の外部への委託費用など
 業務のために通常必要な費用(企業の業務命令により受けたPCR検査費用や、テレワークに関連して業務スペースを消毒する必要がある場合の費用など)立替精算、実費の支給でも従業員に対する給与として課税されません。
 業務のために通常必要な費用以外の費用(例えば、従業員が自己の判断により受けたPCR検査費用や、従業員が自己の判断により支出した消毒費用など)や、従業員の家族など従業員以外の者を対象に支給するものは、従業員に対する給与として課税対象となります。
 
◆参考
企業側での取り扱い(経費計上)
原則として、消耗品費、旅費交通費等や給与として経費計上が可能です。
 
新型コロナウイルスに関する税制や申告納付などについては、頻繁に追加や改正があります。CROSSROADグループでは最新情報を提供しており、これらの制度の利用により経営の安定や大きな節税効果をもたらす場合もあります。
税務・労務に関することを含めた経営全般に関するご相談をされたい方は、CROSSROADグループにお気軽にお問い合せください。

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