フリーランス新法で企業が気を付けるべきこととは?
会計・税務・経営コンサルティングのご相談は大阪市中央区と東京都港区の税理士法人CROSSROAD(クロスロード)
令和3年分所得税・消費税・贈与税の確定申告の時期が近づいてまいりました。
今年の確定申告期限は申告期限が延長された昨年と異なり、今のところ所得税と贈与税が令和4年3月15日、消費税については令和4年3月31日が申告納税期限となる見込みです。納付が銀行引き落としとなる振替納税を利用されている方については、振替納税日が所得税4月21日、消費税については、4月26日となる見込みです。
まだ振替納税手続きがお済でない方は、振替納税制度をご活用ください。
電子データ保存の義務化とは、令和3年の電子帳簿等保存制度の改正により、令和4年1月1日以後行われる取引先間での紙面以外のデジタル化された電子データを、メール等で受領や発行を行う納品書、請求書、領収書等の証憑書類について、下記の要件を満たすデジタル化されたデータ保存が義務化され、電子取引により受領発行した証憑書類を出力印刷して書面により保管しても、証憑書類として扱われなくなったことです。
① 真実性確保要件
次のいずれかによりタイムスタンプが付されている。
(イ)保存する電子データにタイムスタンプが付されている
(ロ)保存する電子データにタイムスタンプを付すことをその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行うこととしている。
(授受した取引情報電子データにタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する経理規定等を定めている場合に限ります。)
② 検索機能確保要件
次の検索機能を確保しておくこと
(イ)取引年月日・取引金額・取引先を検索条件として設定されていること。
(ロ)日付又は金額により、範囲を指定して検索できるようにされていること。
(ハ)2以上の任意の記録項目を組み合わせて検索条件が設定できること。
この義務化は令和4年1月1日からの電子取引から適用されますが、令和3年12月に公開された令和4年税改正大綱では、この義務化となる法律に令和5年12月31日までの宥恕(ゆうじょ)規定が設けられる事となりました。
その宥恕規定とは、やむを得ない理由が有れば、その電子データを出力印刷して書面保存していても、電子取引データの義務化を満たしているものと扱うものです。
すなわち、以前の通りの書面保存が可能となる取り扱いとなりました。
その「やむを得ない理由」とは、災害等の他、保存義務者が内的要因、外的要因にかかわらず電子データの保存に係るシステムの導入整備の準備が困難であった事が含まれます。
また、対応困難な事業所が多い事に配慮し、その宥恕規定の適用を広く認める事としています。
(但し、出力印刷した書面が整然とした形式で明瞭に出力されたものに限られます。)
この取り扱いは、事前の申請や届出は不要で、税務調査等があった際にその税務調査官等に対し、現時点ではシステム等の整備が間に合わなかったが、将来的にシステム等を整備する旨を口頭で回答すれば良い事となっています。但し、あくまでも要件を満たすよう努力はしたが、間に合わなかった事が前提となりますので、導入の意思がないとみなされた場合、宥恕規定は適用されない事となりますのでご注意ください。
令和6年1月1日以後の電子取引について、宥恕規定は有りませんので早々に導入のご準備をされることをお勧めします。
なお、この税制改正は令和4年1月1日から施行となりますが、令和3年12月27日の省令改正により令和4年1月1日からこの宥恕規定が取り扱われることとなっています。
電子データ保存の導入準備に関するご相談は、ぜひCROSSROADグループまでご連絡ください。