経理代行の利用が増えている理由と失敗しない選び方
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2023年10月から始まるインボイス制度では、消費税の仕入税額控除の要件として、適格請求書(インボイス)の保存が必要ですが、従業員は事業者ではないため、インボイスを発行することはできません。
この場合、従業員へ支払う通勤手当は仕入税額控除ができなくなるのでしょうか?
今回は、従業員の通勤手当・立替経費について詳しく説明します。
1.従業員の通勤手当
インボイスは不要です。
次の事項を記載した帳簿の保存のみで、仕入税額控除が認められます。
(1)相手方の氏名又は名称
(2)取引年月日
(3)取引の内容
(4)支払対価の額
(5)出張旅費等特例※1に該当する旨
※1 出張旅費等特例とは、「従業員等」に支給する通常必要と認められる「出張旅費等」で、帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められる取引です。
この「従業員等」とは、役員や雇用関係のある使用人を指すため、業務委託契約を締結している者については、同特例の対象外となるので注意が必要です。
なお、内定者については、まだ雇用関係がないものの、事業者から内定通知を受け、事業者に入社誓約書等を提出している場合は、雇用関係があるとみなされるため、「従業員等」に含まれます。
また、この「出張旅費等」は出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当を指すため、たとえば従業員が、取引先との接待交際費を立替えた場合等には、同特例の対象外となります。
2.従業員の立替経費
a) インボイスの宛名が、事業者宛となっている場合
事業者宛のインボイスの保存のみで、仕入税額控除が認められます。
b) インボイスの宛名が、従業員宛となっている場合
従業員に立替精算書を作成してもらって、従業員宛のインボイスと併せて保存すれば、仕入税額控除が認められます。
c) インボイスの交付を受けることが困難な場合
次の取引は、インボイスの交付を受けることが困難なため、一定の事項を記載した帳簿※2の保存のみで、仕入税額控除が認められます。
(1)適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
(2)適格簡易請求書の記載事項(取引年月日除く。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引
(3)古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物の購入
(4)質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物の取得
(5)宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物の購入
(6)適格請求書発行事業者でない者からの再生資源又は再生部品の購入
(7)適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等
(8)適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストにより差し出されたものに限る。)
(9)従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当)
※2 帳簿に記載すべき一定の事項とは次の通りです。
(1)相手方の氏名又は名称
(2)取引年月日
(3)取引の内容
(4)支払対価の額
(5)帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨
(6)仕入れの相手方の住所又は所在地(一定の者を除く。)
インボイス制度についてのご相談は、お気軽に税理士法人CROSSROADへご連絡ください。