経理代行の利用が増えている理由と失敗しない選び方
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インボイス制度の開始まで1か月をきりました。
制度開始後は様々な経理判断を必要とされる場面があると思いますが、今回は法人税法上の交際費等から除かれる接待飲食費の5,000円判定と、旅費交通費の3万円基準についてご紹介いたします。
1.交際費等の接待飲食費の5,000円判定
(1)接待飲食費とは
社内飲食費を除く、飲食等のために支払った費用のうち、その費用の金額を参加人数で割ったときのひとり当たりの金額が5,000円以下のものが接待飲食費と呼ばれています。この接待飲食費は法人税法上の交際費等からは除かれます。
(2)5,000円判定について
5,000円以下かどうかの判定は消費税の経理方式により異なり、それぞれ次の金額で判定を行います。
・税込経理のとき…税込金額で判定
・税抜経理のとき…税抜金額で判定
税抜経理のときには、相手方である飲食店等が適格請求書発行事業者であるか否かにより、以下のとおり判定のもととなる金額に違いが生じることになります。
相手方が適格請求書発行事業者である場合には、今までどおり、領収書等に記載されている税抜金額をもとに判定を行います。
相手方が適格請求書発行事業者でない(=免税事業者)場合には、支払金額のうち課税仕入に係る消費税額はないこととなるため、支払金額の全額をもとに5,000円判定を行います。
ところで、インボイス制度開始後は次の経過措置が設けられています。
令和5年10月1日~令和8年9月30日までの3年間は仕入税額控除相当額の80%を、令和8年10月1日から令和11年9月30日までの3年間は仕入税額控除相当額の50%を仕入税額控除の対象とすることができます。この仕入税額控除の対象となった部分については、5,000円判定の際の支払金額から除かれることとなります。
2.旅費交通費の3万円基準
(1)公共交通機関特例について
鉄道やバス、船舶による切符などの購入金額のうち、3万円未満のものは、公共交通機関特例により、適格請求書の保存は不要で、一定の事項(※)を記載した帳簿の保存のみで、仕入税額控除をすることができます。
(※)一定の事項とは次のとおりです。
①相手方の氏名又は名称
②取引年月日
③取引の内容
④支払対価の額
⑤帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨
⑥仕入れの相手方の住所又は所在地(一定の者を除く。)
(2)公共交通機関特例の適用がないもの
切符などの購入金額が3万円以上の場合は、公共交通機関特例の適用はないため、適格請求書と帳簿の保存が仕入税額控除の要件となります。また、飛行機の航空券代やタクシー代は公共交通機関特例の対象外となるため、同じく適格請求書と帳簿の保存が仕入税額控除の要件となります。
(3)3万円基準
購入金額が3万円以上か未満かについては、消費税の経理方式によって異なることなく、税込金額により判定がされます。
また、これは1回の取引の税込金額が3万円未満かどうかで判定するため、切符1枚ごとの金額や、月まとめ等の金額で判定することにはなりません。
例えば、東京~新大阪間の新幹線の運賃が1枚13,000円のとき、一度に4枚購入した場合には4枚分の金額である52,000円で判定を行い、この場合には3万円以上であることから公共交通機関特例の適用はありません。
インボイス制度開始後は、細かな判断を求められる機会が多くなると思います。
インボイス制度についてのご相談は、税理士法人CROSSROADへお気軽にご連絡ください。