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税務調査と過少申告加算税

税務

世間ではコロナ禍は明けたものとされ、ここ数ヶ月税務調査の件数が大幅に増加しています。そこで今回は、税務調査の流れと指摘事項に伴う過少申告加算税についてご紹介します。

1.税務調査とは

税務調査とは、国税庁が管轄する税務署などによって、納税者が正しく税務申告(確定申告)を行っているかを調査することです。

法人税や所得税をはじめとする多くの税金は、納税者(法人、個人)が自ら税額を計算して申告・納付する「申告納税制度」が採用されています。税額の計算ミスや虚偽の申告の可能性もあるため、不正行為の防止や申告内容の確認を目的に税務調査が行われています。

 

2.税務調査のながれ

一般的な税務調査(任意調査)の流れは、以下のとおりです。

 

 ①税務署から事前通知

 ②日程調整

 ③準備(必要書類をそろえ、顧問税理士と打ち合わせ)

 ④調査

 ⑤調査結果の連絡

 

税務調査が行われる法人や個人には、調査日程に関して税務署から事前に通知がきます。通知のあった日程について、仕事でどうしても都合がつかないなどの場合、日程調整をすることも可能です。そして調査日程が決まったら、必要書類をそろえたり、顧問税理士がいる場合は税理士と打ち合わせをしたりします。

税務調査は、法人や個人の事業規模にもよりますが、1日から3日にわたって行われることが一般的です。また、税務調査の結果は、調査から1ヵ月ほどで連絡があります。このとき、修正申告を求められる場合と、修正は求めず指導にとどまる場合があります。

 

3.過少申告加算税とは

過少申告加算税とは、確定申告において、期限内に提出した申告書の申告納税額が過少であった場合に課せられる加算税の一種です。なお加算税とは、申告義務が適正に履行されない場合に課される税で、行政制裁的な性格を持っています。

過少申告加算税の場合、本来納付すべき税金との差額を納める際、その10%に相当する額が加算されます。なお自主的に修正申告を行った場合は、過少申告加算税は課税されません。また、追加税額のうち「期限内確定申告額」と50万円とを比較し、いずれか多い金額を超える部分については15%の割合で課税されることとなっています。

 

4.過少申告加算税の具体的な計算方法

例えば当初申告した納税額が200万円、修正後の課税すべき税額が700万円となる場合で考えます。このときの当初の納税額は50万円よりも高いため、この200万円が適用され、200万円を超える部分の税率は15%に設定されます。修正申告における納税額から当初申告した納税額を引いた増差税額は500万円となります。この増差税額から当初の納税額である200万円を超える300万円の部分には15%の税率が適用されます。
つまり、500万円のうち200万円の部分は10%の税額で計算するため20万円、残りの300万円の部分は税率15%で45万円となり、トータルすると過少申告加算税は65万円となります。
なお、この場合に納税すべき税額は、増差税額の500万円に過少申告加算税の65万円、さらに延滞税を加えた金額を追加して計算されることになります。

 

今回ご紹介した内容について、ご相談やご不明点があれば税理士法人CROSSROADへご相談ください!

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