役員報酬及び役員賞与支給の留意点
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今回は、業務改善助成金についてご説明いたします。業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を30円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。熱中症対策の設備投資への活用、コンサル費用等も助成対象に含まれる等、活用しやすい助成金となります。
1.対象事業者・申請の単位について
対象の事業者は、以下となります。
① 中小企業・小規模事業者であること(大企業と密接な関係を有する企業(みなし大企業)でないこと)
② 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること
③ 解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと
※中小企業者・小規模事業者とは以下のA又はBを満たす事業者です。
※以下の要件をすべて満たした場合に、事業場ごとに申請となります。
業種 |
A 資本金又は出資額 |
B 常時使用する労働者 |
|
小売業 |
小売業、飲食店など |
5,000万円以下 |
50人以下 |
サービス業 |
物品賃貸業、宿泊業、医療、福祉、複合サービス事業など |
5,000万円以下 |
100人以下 |
卸売業 |
卸売業 |
1億円以下 |
100人以上 |
その他の業種 |
農業、林業、漁業、建設業、製造業、運輸業、金融業など |
3億円以下 |
300人以下 |
2.申請期限と賃金引き上げの期間について
※申請事業場に適用される地域別最低賃金改定日の前日は、9月末ごろが目安となります。
|
申請期間 |
賃金引上期間 |
事業完了期限 |
第1期 |
令和7年4月14日~ 令和7年6月13日 |
令和7年5月1日~ 令和7年6月30日 |
令和8年1月31日 |
第2期 |
令和7年6月14日~ 申請事業場に適用される地域別最低賃金改定日の前日 |
令和7年7月1日~ 申請事業場に適用される地域別最低賃金改定日の前日 |
令和8年1月31日 |
3.助成上限額・助成率について
(助成上限額)
コース区分 |
事業場内の 最低賃金の引上額 |
引き上げる 労働者数 |
助成上限額 |
|
右記以外の事業者 |
事業場規模30人未満の事業者 |
|||
30円コース |
30円以上 |
1人 |
30万円 |
60万円 |
2~3人 |
50万円 |
90万円 |
||
4~6人 |
70万円 |
100万円 |
||
7人以上 |
100万円 |
120万円 |
||
10人以上※ |
120万円 |
130万円 |
||
45円コース |
45円以上 |
1人 |
45万円 |
80万円 |
2~3人 |
70万円 |
110万円 |
||
4~6人 |
100万円 |
140万円 |
||
7人以上 |
150万円 |
160万円 |
||
10人以上※ |
180万円 |
180万円 |
||
60円コース |
60円以上 |
1人 |
60万円 |
110万円 |
2~3人 |
90万円 |
160万円 |
||
4~6人 |
150万円 |
190万円 |
||
7人以上 |
230万円 |
230万円 |
||
10人以上※ |
300万円 |
300万円 |
||
90円コース |
90円以上 |
1人 |
90万円 |
170万円 |
2~3人 |
150万円 |
240万円 |
||
4~6人 |
270万円 |
290万円 |
||
7人以上 |
450万円 |
450万円 |
||
10人以上※ |
600万円 |
600万円 |
※引き上げのルール
・全ての労働者の賃金を新しい事業場内最低賃金以上まで引き上げる必要があります。
・賃金を引き上げる労働者数に応じて助成上限額が変動します。(上表参照)
・事業場内最低賃金の者以外でも、申請コースの額以上賃金を引き上げた場合は引上げ人数にカウントされる場合があります。
※10人以上の上限額区分は特例事業者が対象となります。特例事業者の要件は以下のとおりです。
① 賃金要件:申請事業場の事業内最低賃金が1,000円未満である事業者
② 物価高騰等要件:原材料費の高騰など社会的・経済的環境の変化等の外的要因により、申請前3ヵ月間のうち任意の1ヵ月の利益率が前年同月に比べ3%以上低下している事業者
(助成率)
・事業場内最低賃金が1,000円未満→4/5
・事業場内最低賃金が1,000円以上→3/4
4.助成対象経費について
助成対象事業場における、生産性向上に資する設備投資等が助成の対象となります。また、特例事業者については助成対象となる経費が拡充されます。
・機器・設備の導入
POSレジシステム導入による在庫管理の短縮、リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮
・経営コンサルティング
国家資格者による、顧客回転率の向上を目的とした業務フロー見直し
・その他
顧客管理情報のシステム化
※特例事業者のうち、物価高騰等要件に該当する場合は、助成対象経費として認められていない以下の経費も対象です。
・定員7人以上又は車両本体価格200万円以下の乗用自動車
・貨物自動車
・パソコン、スマートフォン、タブレット等の端末と周辺機器の新規導入
今回は、業務改善助成金についてご説明させていただきました。当社では、補助金・助成金の専門部署もございますので、
業務改善助成金に関するご相談については、是非、税理士法人CROSSROADにご連絡ください!!