経理代行の利用が増えている理由と失敗しない選び方
会計・税務・経営コンサルティングのご相談は大阪市中央区と東京都港区の税理士法人CROSSROAD(クロスロード)
社員へ支払う給与や個人へ支払う報酬などから所得税を徴収して納付することに煩わしさを感じている経営者の方は多くいらっしゃると思います。
今回は、なぜ所得税を徴収しないといけないのか?について記載します。
はじめに、支払う金額から所得税を差し引いて納付する制度を源泉徴収制度といいます。日本では原則、納税者が自主的に申告して納税をする申告納税という制度を採用していますが、申告納税制度だけでは、官庁の労力や費用などが多くかかること、申告漏れといった問題が生じることから、支払いを行う者に所得税の徴収義務を課すことで、こういった問題を防ぐために、源泉徴収制度というものが存在しています。
それだけ聞くと国の怠慢と感じるかもしれませんが、原則に従うと給与収入だけのサラリーマンの方も確定申告して所得税を納税する必要があるところ、事前に所得税を徴収してもらうことで所得税の申告・納付が終わるといった利点もあります。
では、源泉徴収の対象となるものとはどういったものがあるのでしょうか?
社員へ支払う給与などはもちろんですが、以下のような報酬も源泉徴収の対象となります。
・原稿料や講演料など
・弁護士、税理士のような特定の資格を持つ人へ支払う報酬、料金
・社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
・プロ野球選手などのスポーツ選手、モデルや外交員などに支払う報酬、料金
・芸能人や芸能プロダクションを営む個人へ支払う報酬、料金
・プロ野球選手の契約金のような役務の提供を約束することにより支払う金銭
・広告宣伝のための賞金など
・ホテル、旅館などで行われる宴会で、接待などを行うコンパニオンやバー、キャバレー
などに勤めるホステスへ支払う報酬、料金
これらは、個人へ支払う報酬が対象となり法人に支払う場合には源泉徴収は不要となります。
徴収した所得税は、原則、支払った月の翌月10日までに納付しなければなりませんが
給与の支給人員が常時10人未満であれば、管轄の税務署へ届出書を提出することにより、年2回の納付にすることができます。ただし、この場合であっても給与や税理士などの士業以外の外注者の方に支払う報酬については、原則どおり翌月10日までに納付が必要です。
納付方法は、金融機関の窓口で納付書による納付のほか、期日を指定して銀行口座から自動引落をするダイレクト納付という方法があり、納付期限から1日でも過ぎると納付額に対して5%~10%の不納付加算税という罰則的な税金がかかってしまいますので注意が必要です。