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スキャナ保存制度は、取引の相手先から受け取った請求書等および自己が作成したこれらの写し等の国税関係書類について、税務署長等の承認を受けた場合、書面による保存に代えて一定の要件の下でスキャン文書による保存が認められる制度です。納税者の国税関係帳簿書類の保存に係る負担の軽減等を図るために、その電磁的記録等による保存等を容認しようとするもので、平成17年度の税制改正により創設され、平成27年度と平成28年度の税制改正により一部改正が行われてきました。
具体的には次のような書類がスキャナ保存対象となります。
(重要度:高)契約書・領収書、並びにこれらの写し
→一連の取引過程における開始時点と終了時点の取引内容を明らかにする書類で、
取引の中間過程で作成される書類の真実性を補完する書類
→資金や物の流れに直結・連動する書類のうち特に重要な書類
(重要度:中)預り証・借用証書・預金通帳・小切手・約束手形・有価証券受渡計算書・社債申込書
・契約の申込書・請求書・納品書・送り状・輸出証明書、並びにこれらの写し
→一連の取引の中間過程で作成される書類で、所得金額の計算と直結・連動する書類
→資金や物の流れに直結・連動する書類
(重要度:低)検収書・入庫報告書・貨物受領証・見積書・注文書、並びにこれらの写し
→資金の流れや物の流れに直結・連動しない書類
一方、スキャナ保存対象外書類として、仕訳帳・総勘定元帳・一定の取引に関して作成されたその他の帳簿や、棚卸表・貸借対照表・損益計算書・計算整理又は決算に関して作成されたその他の書類は、旧来通り、印刷された紙媒体での保存が義務付けられております。
留意点として、上記スキャナ保存対象書類をスキャナで読み取った後、即時破棄することはできず、「定期的な検査」が行われるまで書面にて保存する必要があります。この「定期的な検査」とは税務調査を意味している訳ではありません。スキャナ保存制度を実施するためのいくつかの要件の1つに「適正事務処理要件」が設けられており、この要件を満たすために新たな社内規定(適正事務処理規定・事務分掌細則(別添)・スキャナによる電子化保存規定)を整備しなければなりません。これらの規定を整備する際に、相互牽制・定期的な検査・再発防止の3つを謳う必要があります。つまり、社内規定にて定められた期間の検査が行われるまでは破棄できないということになります。
「適正事務処理要件」のほかにもスキャナ保存を実施するための要件がありますので、ご興味がお有りの方は税理士法人CROSSROADまでお気軽にお問い合わせご相談ください。