コラム

火災(地震)保険金について

税務

 地震や豪雨、台風などの自然災害により、建物や家財などが被害を受けた場合に支払われる損害保険金の税務上の取扱いについてご紹介します。

(1)個人の自宅や家財などが被害を受けた場合に支払われる保険金
①受け取った保険金はすべて非課税になりますので、所得税も住民税もかかりません。
火災保険や地震保険などから支払われる保険金は、受けた損害に対する穴埋めの意味がありますので、受け取る保険金は損害への補填となり利益が生まれることはありませんので、税金は課税されません。

 

②保険料負担者(契約者)と保険金受取人(建物などの所有者)が別人の場合でも非課税になります。火災保険においての被保険者は建物の所有者で、損害を受けたときに支払われる保険金は被保険者に対して支払われます。親所有の家に子供が住んで火災保険の契約をしていても、実際に家が損害を受けたときに火災保険金を請求して保険金を受け取ることができるのは親になり、その場合でも受け取った保険金は非課税になります。

 

③保険の対象となる自宅が共有名義の場合、その共有持分割合に応じて保険金を受け取ります。もし、一人が保険金全額を受け取ると、その他の共有者から贈与があったものとして、贈与税がかかることがありますので注意が必要です。
④災害などを受けた年については、雑損控除や災害減免法による減免措置を受けることができますが、その際に受け取った損害保険金がある場合は、その保険金額を差し引いて計算しなければいけません。

 

 

(2)個人事業用の建物や商品などが被害を受けた場合に支払われる保険金
個人事業者がその事業に関して受け取る損害保険金には、次の2種類があります。
①事業の売上を補償する保険金
災害による商品の滅失や休業を余儀なくされた場合の事業利益を補填するために支払われた保険金額は、事業の収入に計上しなければなりません。

 

②事業用の建物や備品などの損害を補償する保険金
損害を受けた建物などの損失の金額は事業の必要経費になりますが、保険金を受け取った場合には、その保険金額を損失額から差し引かなければなりません。
保険金額が損失額を上回った場合には、上回った部分の金額は非課税となります。

 

 

(3)法人の建物、備品、商品などが被害を受けた場合に支払われる保険金
法人が受け取る保険金は、すべて事業の収入として計上しなければなりませんので、法人税等の対象となります。
保険金を受け取ることにより多額の税金が生じる場合がありますが、その保険金で代替設備を購入した場合には、取得した設備について圧縮記帳という処理により一時的に保険金による利益を次年度以降に繰り延べて税金を減らすという方法もあります。

 

ご不明な点があれば、税理士法人CROSSROADまでご相談ください。

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