コラム

消費増税に向けて事業者が行う準備

税務

 ほぼ全ての国民のみなさまがご存じのとおり、消費増税の施行が2019年10月1日に迫っております。今回は、個人事業者及び会社(以下「事業者」という)が事前にしておくべき準備についてご説明します。

 2019年10月1日に消費税は、標準税率が8%から10%に引き上げられます。なお、飲食料品や新聞などの日用品は、軽減税率が導入され、例外的に8%に据え置かれます。

(軽減税率の詳細は、2018年9月6日の弊社のコラム「消費税の軽減税率の対象品目と帳簿及び請求書等について」をご覧ください)

 消費税に原則の10%と、軽減税率の8%が混在することで、事業者の方は請求書の発行など、実務面でもより複雑になることが予想されます。実際に10%に引き上げられてから、なるべく混乱をきたさないよう、主に必要な事前準備をまとめますので、ご覧ください。

1.帳簿及び請求書

 複数の税率が混在するため、請求書等には、これまでの記載事項に加え、軽減税率対象資産の譲渡等である旨及び税率ごとに区分して合計した税込対価の額の記載が必要となります。

(帳簿や請求書の記載例は、2018年9月6日の弊社のコラム「消費税の軽減税率の対象品目と帳簿及び請求書等について」をご覧ください)

 

2.複数税率対応のレジ及びキャッシュレス決済端末の導入

 軽減税率の導入で、例えば飲食店や小売店などは、「テイクアウト」と「イートイン」で適用される税率がちがうことになります。そのため、複数税率に対応している端末やシステムを導入する必要が生じる場合があります。

 端末やシステムの導入については、中小企業庁が実施する「軽減税率対策補助金」、経済産業省が実施する「キャッシュレス・消費者還元事業制度」があります。

 

 レジの導入については、増税の施行前(2019年9月30日まで)にシステムの支払いが完了している必要があるなど、詳細な要件を確認していただく必要はありますが、対応端末の購入費用負担が軽減されたり、増税の施行後9ヶ月間にわたりカードの決済手数料の減額される、といったメリットがあります。

・「軽減税率対策補助金」         参考URL:http://kzt-hojo.jp/

 ・「キャッシュレス・消費者還元事業制度」 参考URL:https://cashless.go.jp/

 

3.その他実務的な事前準備

 1、2に挙げた他、実際に準備すべき事項として想定されるのは次のとおりです。

・自社の取引が軽減税率が適用される取引かどうかの確認

・2019年の9月から10月にわたっておこなわれる取引に適用される税率はいくらかの確認

・領収書やレシートはどのように区分して保存しておくべきかの確認

・増税の施行に合わせて、サービス等の価格を改定する場合の、相手先への事前告知や、ホームページ等の更新

 

 なお、消費税が免除されている事業者(免税事業者)の方も、取引の相手先に対して発行する請求書等については、1のとおり記載する必要があるため、同様に事前準備は必要ですので、ご注意ください。

 

 消費増税に向けての事前準備にお困りの方は、税理士法人CROSSROADにご相談ください。

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