コラム

事業再構築補助金の圧縮記帳の適用について

税務

今回は「事業再構築補助金の圧縮記帳」についてご紹介させていただきます。

 2021年8月11日に、中小企業基盤整備機構より、「中小企業等事業再構築促進補助金における圧縮記帳等の適用について」が公表されました。新型コロナ対策の事業再構築補助金については、直接、国が補助するものではなく同機構が交付するため、圧縮記帳の適用が可能かどうかについて国税庁に確認した結果、本補助金のうち固定資産の取得に充てるための補助金については圧縮記帳等の適用が認められる、との回答を受け取った旨を公表したものです。
これによって、事業再構築補助金を受け取る事業年度の課税を、将来に繰り延べることができるようになりました。
 
■ 圧縮記帳とは?
 圧縮記帳とは、有形固定資産の取得に際して収益(補助金等)が発生した場合に、その取得価額を減額して圧縮損を計上し、収益と圧縮損を相殺することによって、その年度の税負担を軽減する効果をもたせるための税法上の規定をいいます。
国や自治体から交付された補助金は会社の「益金」として法人税の対象になります。しかし、固定資産を取得する目的で受け取った補助金について、すぐに法人税が課税されると、設備を取得した後に納税資金が残らず資金繰りが苦しくなる恐れが生じ、中小企業を支援するという補助金の趣旨に反するため、圧縮記帳と呼ばれる税務上の特殊な処理を行うことが認められているのです。
たとえば、3000万円の機械設備を取得するために2000万円の事業再構築補助金を受け取った場合、補助金収入2000万円と同額の固定資産圧縮損(損金)を計上し、補助金収入について課税される税金を将来に繰り延べることが可能になります。
ただし、圧縮損が計上された初年度は税負担が少なくなりますが、その分、機械設備の取得価額が1000万円に減額されることから、将来の減価償却費が少なくなり、その後の各事業年度の税負担は逆に増加することになります。したがって、圧縮記帳は単なる課税の繰り延べに過ぎず、免税制度ではないことに注意してください。
 
■ 圧縮記帳が認められるケース
事業再構築補助金のうち、圧縮記帳が認められるものと、認められないものがあります。
 ・圧縮記帳が認められるもの・・・固定資産購入(建物や設備)
 ・圧縮記帳が認められないもの・・技術導入費、専門家経費など固定資産の取得以外に充てられた部分の金額
このように、同じ補助金であっても、対象となる支出内容によっては圧縮記帳が認められないケースがあるため十分な注意が必要です。

事業再構築補助金や圧縮記帳に関する税務相談については、税理士法人CROSSROADへご相談ください。

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