コラム

役員賞与を使った社会保険料の節約術

税務

今回は、役員賞与(事前確定届出給与)を使った社会保険料の節約術の概要及びメリット・デメリットをご紹介いたします。

◇概要
 事業年度中に受け取る額面金額は同じで、受け取り方が異なる場合、社会保険料を節約できる場合があります。例えば、月給が100万円で年間1200万円受け取られている方が、月給20万円(年間240万円)と役員賞与960万円で年間1200万円の場合、後者の方が社会保険料は安くなります。
 
理由は、賞与に対する社会保険料には上限が設けられているためです。
協会けんぽの場合 健康保険料は標準賞与額が「年間」573万円、厚生年金保険料は「月間」150万円を超える金額については、社会保険料の計算が対象外になります。
 
◇メリット 
社会保険料を節約することができます。詳細なシュミレーションは割愛しますが、上記の例の場合、約115万円節約(法人・個人負担合計)することができます。
 
◇デメリット
①届出通りに賞与を支払わないと、税務上経費に出来ない。
 →事前確定届出給与は、支給日付を事前に税務署に届出を行います。万一、届出どおりの日付に届出額を支払わなければ、税務上損金として認められません。
 
②資金繰りが安定しない。
・会社の場合
 賞与を支給する月以外の月は、資金繰りは楽になりますが、賞与支給月に向けて資金を貯めておかなければ、後ほど大変なことになります。
・個人の場合
あまり月給を下げてしまうと生活資金がショートするため、毎月の生活費程度の給与設定にしておく必要があります。
 
③税金の負担は増える
社会保険料は、法人でも個人でも経費として取り扱うことができるので、社会保険料を節約することで、負担する税金は増加します。
 
④将来の年金受給額が減少する
 
社会保険料の節約額のインパクトは大きいですが、一方デメリットも多数挙げられます。
もしご興味がある方は、税理士法人CROSSROADまでお問い合わせください!

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