コラム

融資の成功率を高めるために普段から用意しておきたい資料

税務

政府は4月26日、記者会見で「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」を決定したことを発表しました。そのうち、事業者に関係する「中小企業支援」では、無利子・無担保融資の申請期限を6月末から9月末に延長、セーフティネット貸付金利の引き下げ、事業再構築補助金への特別枠の創設を行うことにしています。

(内閣官房HPよりhonbun.pdf (cas.go.jp)
 
令和2年6月から始まった公庫や保証協会の保証つき「コロナ融資」を借りることができた事業者はたくさんいらっしゃいます。その時に借りた資金が枯渇し、再び「コロナ融資」を申し込まざるを得ない事業者が増加し始めたのですが、2回目の「コロナ融資」を断られるケースが増えています。
1回目の「コロナ融資」ではスピード優先で、十分な審査を行っていませんでしたが、2回目の「コロナ融資」では、しっかりとした審査を行うため、1回目に比べハードルが格段に上がっています。
2回目の「コロナ融資」を断られないようにするためには、普段から取引金融機関に情報提供をすることが重要です。それも、口頭で伝えるのではなく、きちんと資料を作って伝えること。今回は、融資の成功率を高めるために、普段から用意しておきたい資料について説明します。
 
1.事業計画書
事業計画書を作成することで、企業は自らの「将来性」を効果的に伝えることができます。
金融機関は意外と取引先の内容の詳細は把握していないものです。
事業計画書には、自社の「強み」がふんだんに盛り込まれているはずなので、担当者が稟議書を作成する際には、とても役に立つ資料になります。
 
2.試算表&資金繰り表
金融機関が知りたい情報は、「取引先の将来性を把握できる情報」と、「現在その企業の状況がどうなっているか把握するための情報」です。
「取引先の将来性を把握できる情報」は、月次事業報告書で確認することができます。そして、「現在その企業の状況がどうなっているか把握するための情報」については、試算表と資金繰り表にて確認することができます。
金融機関が取引先の現状を把握することができれば、「いつ、資金需要があるか」を予想することができるため、その準備をしておくことができるからです。
 
3.月次事業報告書
「月次事業報告書」とは、「事業計画」通りに事業が進捗しているかどうかを報告する資料。
 「事業計画書の数値」と「試算表の数値」を比較して、その結果を分析し、翌月の経営に活かすための「改善策」を考えるための資料です。月次事業報告書を毎月提出することによって、当該企業は、毎月改善策を考え実行することができます。
そこまで、まじめに経営に取り組んでいる企業に対しては、金融機関の印象も最大限に良くなり、できる限り支援してくれるようになります。
 
「事業計画書」を作成し、「試算表&資金繰り表」で毎月の経営の状況を把握し、「月次事業報告書」で毎月、経営改善策を考え、実行し続けることができれば、企業の業績も良くなりますし、金融機関からの信用力は格段にアップします。
 
詳しくは税理士法人CROSSROADまでお気軽にご相談ください。

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