コラム

「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)」で決算対策

税務

 経営セーフティ共済は、取引先企業が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防止するための共済制度で、中小企業倒産防止共済法に基づいて、国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

 法人の場合は、掛金の全額が損金に算入でき、個人事業者(不動産所得を除く)の場合は、必要経費に算入できる税制上の優遇が受けられます。しかも、一年分をまとめて前払いする前納制度があり、その場合、全額損金に算入することができますので、決算対策に有効です。掛金は、月額5,000円から20万円まで設定することができ、最高年240万円が全額損金に算入できます。積立限度額が800万円となっていて、限度額まで積み立てると支払いが終了します。

 

加入資格)
 一年以上事業を行っている法人および個人事業者の方で、下表の要件のいずれかを満たせば加入できます。ただし、法人税や所得税を滞納している方など、一定の条件に該当する方は加入できませんのでご注意ください。

07.02-1

 

 

掛金の税制優遇で高い節税効果以外のメリットとしては、以下のとおりです。

1)無担保・無保証人で、掛金の10倍まで借入可能。
 共済金の借入は、無担保・無保証人で受けられます。共済金貸付額の上限は「回収困難となった売掛金債権等の額」か「納付された掛金総額の10倍(最高8,000万円)」のいずれか少ないほうの金額となります。

 

2)取引先が倒産後、すぐに借入れできる。
 取引先の事業者が倒産し、売掛金などの回収が困難になった時は、その事業者との取引の確認が済み次第、すぐに借り入れることができます。

 

3)40ヶ月以上払込があれば任意解約でも、掛金全額が戻ってくる。
 共済契約を解約された場合は、解約手当金を受け取れます。自己都合の解約であっても、掛金を12カ月以上納めていれば掛金総額の8割以上が戻り、40ヶ月以上納めていれば、掛金全額が戻ります。

 

4)解約しても、また再加入できる。
 一旦解約しても、加入条件を満たしていれば、再び加入することができます。
ただし、その場合、加入後6カ月間は共済金の貸付を受けることができませんので、注意が必要です。

 

 このような特色から、経営セーフティ共済の加入及び掛金支払いは、税金の繰り延べ効果が非常に高く、解約手当金の受け取りに対する出口対策は必要ですが、決算対策として非常に有効な手法です。

 

 ご不明な点があれば、税理士法人CROSSROADまでご相談ください。

 

 

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